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理屈をこねてもいいじゃない

承認欲求を満たすためにブログ書いてます

ハッピーエンドではない、だが希望のある終わり方

  私が、最近読んだ小説の中でおすすめは、朝井リョウさんの『世界地図の下書き』という本だ。

 

 この本は、児童養護施設『青葉おひさまの家』で暮らしている主人公の大輔と『青葉おひさまの家』で暮らしている周りのこどもたち(佐緒里、麻利、淳也、美保子、)を中心に話が進んでいく…

 

続きが気になった人は、アマゾンで購入してもらうとして・・・

 

※以下ネタバレ?

 

 私がこの本を気に入っているのは、最後のエンディングが「ハッピーエンド」で終わっていないことだ。

それぞれの子どもたちは、同年代の子と比べて厳しい選択におかれたり、悲しい別れを経験する。

でも、その先に待っているのは絶望ではないという終わり方になっている。

 

 元々、児童養護施設児童虐待などを舞台にした小説や漫画自体数が少ない。

それだけ、フィクションとして扱うことが難しいからであろう。

そして、多くの場合読者を惹きつけるために、過度に、最後をハッピーエンドにしたり、逆に主人公にとって救いようのない終わり方にして過度な同情をあおるか。そのどっちかになりがちだなと感じている。作者が一般の人のエンターテイメント向けに書いているなという作品が多く感じる。まるで、ファンタジーみたいな感じで。

 

 でも、一般の人は、「深刻な問題」としてまるでそのままそっくり「現実」として受け入れてしまう。(特に後者は)

私は、このことについて、うまく説明できないんだけれども、どうしても、妥協できない違和感を感じてしまう。

 

※ここら辺の違和感については、平田オリザさんの『幕が上がる』に私と似たような感覚の事を非常にうまく書いてあるのでそっちの方を是非(^^)/

 

幕が上がる (講談社文庫)

幕が上がる (講談社文庫)

 

 

 

 じゃあ、どうすればいいのって話だけれども、個人的には安易な「ハッピーエンド」と過度に「悲惨な終わり」の間を取ればよいと感じている。もしくは、ハッピエンドとバットエンドの両方を混ぜるか…

確かに言葉でいうのは簡単だ。

 

しかし、そのバランスは、正直とっても難しいと思う。

 

 実際、今まで虐待について取り上げたり、児童養護施設を扱った小説や漫画をいくつか読んできたけれども、これだ!!!(リアリティーがある)と感じる小説や漫画にはなかなか出会えない。

今回、朝井さんが書いた作品も、児童虐待や家族関係については真正面から扱ってはいないし、登場人物たちが児童養護施設で暮らしていたとしても、舞台はそこだけではない。(主人公たちが通っている小学校も重要な場所だし…)

 

 しかし、今回私が、朝井さんの本を素敵でリアリティーがあると感じるのは、最後の終わり方が、「ハッピーエンド」でも、「絶望」でもないことだ

主人公をはじめとした登場人物たちにとっては、厳しい終わり方だけど、小説が終わった後にそれぞれに「小さな希望」が見えることだ。

 

この終わり方によって、主人公たちがとても生き生きしたように感じる。

 

 作品自体はフィクションであっても、まるでリアルであるかのような生生しさが感じられる。

主人公が、小学生ということで、子ども目線で書かれているから、よけいそう感じるのかもしれない。

とにかく素敵な世界観の小説で、久しぶりに楽しく読ませてもらいました☺

 

以上拙い本紹介でした。

もし、今回の駄文ブログ(え?)を読んで、詳しく読んでみたいと感じた方は、下のリンクをクリックしてくださいwww

世界地図の下書き (集英社文庫)

世界地図の下書き (集英社文庫)